かごしまんまだより
平成28年8月19日 かごしまんまだより
【素敵な吉田自然農園さん】
みなさん、お盆はいかがお過ごしでしたでしょうか。
我が家は恒例のキャンプをしました。
食材のほぼ全てをかごしまんまでまかなえる、というのは本当にストレスフリーでした。
特に肉類はトレーがないのでゴミも少なくて便利でしたね~。
餅も焼き肉と一緒に焼けて便利でした。しかし真夏の南国鹿児島でやごろう豚の焼き肉セット1kgを焚き火台で炭火を満載にしてやる焼き肉は、なかなか過酷で苦行でした(笑)。
あまりの暑さと熱さに半分しか食べられませんでした。
暑すぎて寝袋もとうとう1回も使わずじまいでした。
また、久しぶりに行った歯医者さんに入った途端、パンドォルさん(かごしまんまパンを作ってくださる)と吉田自然農園さんに立て続けにお会いして「なんなんだ今日は・・・?」とびっくりさせられるお盆最終日を過ごしたりえしです。
いくら田舎の鹿屋市にだって歯医者くらいはたくさんあるんですよ。世の中は狭すぎます!
うだるような暑さの鹿児島ですが、今年は吉田自然農園さんの野菜が元気です。
今週と来週の2週連続でなんと3品種づつ野菜セットに入る(予定)です。
今週はツルムラサキ、バジル、モロヘイヤ。
来週はツルムラサキ、モロヘイヤ、エンサイ(空芯菜のこと)が入れられるとのこと。
頼もしいですね~嬉しいですね~。
えっ?そんな珍しい名前のお野菜は知らない?
大丈夫です。野菜セット内容イラストにレシピをお付けします。
また、かごしまんまの野菜は新鮮で農薬をあまり使っていないので野菜自体に力があるので、大概はゆでるか炒めるか味噌汁か天ぷらにするだけで超美味しい1品が出来上がりますヨ。
無・減農薬栽培を頑張る生産者さんにもパターンがありまして、大きくわけて
①絶対ムシをいれないぞ!
②ムシと共存するぞ!
③ムシがつかない野菜をつくるぞ!
の3パターンなのですが、吉田自然農園さんは③の『ムシがつかない野菜を作るぞ』派なので、おのずと珍しい野菜が多くなってきます。
でもとっても美味しいんですよ。
どうぞその味の濃さと美味しさにびっくりしてください。
しかしその吉田自然農園さんをもっと悩ませるのは、猿やイノシシやタヌキです。
羽を痛めたカラスを、羽を吊って大切に保護・飼育している吉田さん。
吉田さんにとっては畑を荒らす憎き害獣も大切な命ある生き物です。
罠や銃で殺すことは絶対にしたくありません。
畑ごとに犬をつないで飼って、動物が来ないように工夫をしていますがなかなか根本策はありません・・・。
農薬をなるべく使わずに農業をやりつつ自然と共存することは、実際にやってみるととんでもなく大変な事なのです。
吉田さんに心から感謝ですね。
余談ですが、吉田自然農園さんはお母さんと息子さんのお二人でやってらっしゃるのですが、息子さんは仙人みたいな髪型で、なんと昭和47年製のトラックに野菜を載せてやってきます。
車も、ある一定レベルをも超えた古さで現役ですとむしろ味が出てかっこよく見えるんです。
歯医者さんでもしっかり目立っていました。
- 2022.04.07
- 17:43
平成28年8月9日 かごしまんまだより
【いつのまにか高級野菜になってしまったトウモロコシやトマト】
1つの野菜を作るには、収穫するまでに2ヵ月から半年くらいかかります。
この間に病気や虫や梅雨や台風や霜などの様々な試練を乗り越えて収穫にこぎつけるわけです。
生産者さんの収入は収穫の時にしかありませんので、一般的な生産者さんはなんとか収穫できるように農薬を使って病気や虫を防いだり、ハウスやマルチなどの設備を作ったりします。
農薬をなるべく使わない生産者さんは、あまり農薬を使わないでもいい品種を栽培したり、病害虫の天敵を畑に投入したり酢等を使用します。
それでも、梅雨の長雨や台風や霜などで一気に畑ごと全滅して収入が0になってしまうこともしばしばあります。
ですから収穫できないリスクが高い品種は、どの生産者さんも作らなくなっていきます。
夏野菜の代表格であるトマトは意外にも高温・多湿に弱くて、栽培中に支柱を立てたり水分量を調整するためにシートを張ったりと作業量も多いので大変な上に、病原菌にもやられやすいので無農薬・減農薬で大量生産するのは本当に大変で、真夏の鹿児島ではなかなか生産されません。
トウモロコシは甘くておいしいので、細菌や虫や野生動物(タヌキ等)も大好き。
大量生産するには農薬を使わないのは困難です。
そして動物対策はネットや柵や電流柵など大がかりな仕掛けが必要です。
このネットや柵を作るも大変ですし、人間もネットが邪魔で管理や収穫が大変。
またせっかく苦労してそれらを作っても、トウモロコシは背が高いので台風や豪雨で倒れてしまいます。
苦労して収入0では作りたくなくなりますね。
そうして生産者はだんだんと、つくりやすく、売れやすく、収益が出やすい品種にシフトしていきます。
ニラはあまり虫が付かないので比較的農薬を使わない栽培が可能ですが、葉先が黄色く変色しやすく、綺麗な緑色で折り目やキズがないまっすぐな葉とそうでない葉を選別して束ねていく作業が非常に大変な割にはあまり高い値がつかないので、鹿児島ではニラ農家さんはめったにいません。
ズッキーニも雨に弱いので生産者さんがあまりいません。
また、受粉作業が必要な野菜は敬遠されます。農業は若い人がやりたがらないのでどんどん高齢化が進んでいるからです。(ミツバチが昔のようにたくさんいたら腰に負担のかかる受粉作業は必要ないかもしれません。)
昔は、家に帰ればゆでトウモロコシがテーブル上のお皿に山になっていたものです。
トマトもたくさん食べた記憶があります。
今では全国的にトウモロコシは高く珍しいものになりつつあります。
トマトも果物並みのお値段になっていますね。
これら作りにくい野菜の生産者さんが年々減少している証のような気がします。
TPPの波が迫る今、海外産の安くてきれいで遺伝子組み換えのトマトやトウモロコシがスーパーを席巻する日は遠くないと思います。
もちろん現在でもスーパーにある安くてきれいな大量生産のトウモロコシやトマトは農薬を多量使用していると容易に想像できます。
そうでないと収穫できないし売れないし収益が出ないから。
どんどん、日本の農業が衰退していくのを肌で感じます。
「きれいで安い野菜を買う」人が圧倒的多数の日本では、虫がいたり穴が開いていたり曲がっていたりキズがあったりシミがあったりする本当に安心で美味しい野菜を作る生産者さんはどんどんいなくなってしまうことでしょう。
自然の中で育つ野菜は、きれいには育たず、気候や環境・状況によって変化するのが当たり前なのに・・・。
- 2022.04.07
- 17:29
平成28年8月2日 かごしまんまだより
【かごしまんま災害等支援活動基金の中間収支報告】
みなさんからの寄付金の総額は7月26日時点で104万円にも達しました。
神様からお預かりした大切なお金と思い、今日まで活動してきています。
7月26日時点での収支報告を全てできるだけ詳細に記述し、かごしまんまのHPに掲載しました。
(かごしまんまHP⇒ブログ⇒かごしまんまのつれづれ⇒かごしまんま災害等支援活動基金 収支報告 参照)
直接行動して被災地の皆さんに直接届く支援を目指して、手探りでスタートしました。
被災地を廻るうち、公的な避難所では支援物資の差し入れ等を公的な方々から沢山おことわりされたので(当時は公的機関に全国からの支援物資が溢れている状況)、避難所に物資を運ぶことはやめました。震災直後は公的なボランティア団体は形ばかりであまり機能していませんでした。公的な方々や機関とは距離を置いて活動することに決めました。しかし初めての支援活動でどうしたらいいのかわかりません。現地にご迷惑をかけたら元も子もありません。そこで、支援活動に慣れている民間のボランティア団体のサポートにまわることに決めました。
民間ボランティア団体はこれまで多くの災害地で活動してきているので動きが迅速で本当に感動しました。
かごしまんま基金では、震災直後の物不足・食糧不足の頃はボランティアさんたちの為の炊き出しをし、落ち着いてからは民間ボランティア団体ではすぐに買うことができないものを鹿児島で購入したりやインターネットで注文したりして届けました。民間ボランティア団体をこのように支援することで、無理をすることなく、被災地の方々への直接的で必要な支援が迅速にできたと感じます。
かごしまんまのある鹿屋市から熊本市・益城町へは往復400kmで、高速道路を使用しても移動だけで8時間かかります。支援活動は無理なく継続することが大切だと考え、現地入りする日の交通費・食事等の諸経費は全て基金から支出することにしました。そうすることで金銭的にも精神的にも身体的にも負担がかからず、毎回積極的な気持ちで行くことができます。震災直後は道路状況が混乱していて夜遅くまで帰れずに近隣のホテルに宿泊しました。夜明け前に出発して帰宅が夜遅くなる日にご飯を作らないで済むのは本当に助かりました。
もう熊本震災に関する報道はほとんどなくなりましたが、益城町をはじめまだまだ現地は震災直後とあまり変わらぬ風景です。避難生活を余儀なくされている方も多く、各民間ボランティア団体も作業を続ける日々です。
これからも無理なく意欲的に継続的な活動を続けていきます。ご支援くださる方もどうぞ無理なくお願いします。
『かごしまんま災害等支援活動基金』
ゆうちょ銀行口座 記号17840 番号30541631
ゆうちょ銀行 店名 七八八 店番 788 預金種目 普通預金 口座番号 3054163
- 2022.04.07
- 17:14
平成28年7月26日【熊本地震被災地支援活動報告】
【熊本地震被災地支援活動報告】
先週末(7/23)は、木山サテライトに冷凍庫を届けに行きました。
木山サテライトは益城町文化会館駐車場に臨時にできた民間ボランティアのベースです。
重機を扱える人や屋根工事ができる人などけっこうプロな方々が多く、倒壊家屋の片付けや屋根の補修や大切なものの運びだし等、住民さんの依頼に合わせて動いているボランティア集団で、め組JAPANをはじめ複数の団体が集まっています。
現地で必要な重機や機材等の貸出しをしたり金銭面で活動を大きく支えたりしているのは日本財団です。
しかしながら全国からの支援物資は木山サテライトへは届きません。
支援物資はあくまで被災地と被災地の住民さんに向けられたものだからです。
日本財団等から金銭面でのバックアップを受けているとはいえ、『自分たちのためのもの』や『高価で高品質な品物』はなかなか要請を出しにくくそして予算がおりにくいものです。
例えば『UVブラック土嚢袋』。
熊本では多くの家の屋根が損壊しました。
雨漏れを防ぐためブルーシートで屋根を覆い、ブルーシートが飛ばないように土嚢袋にガラや砂を入れてとロープで止めます。
支給される土嚢袋やロープは白色の普通のものなので、梅雨の雨や夏の日差しにやられてどんどん破れていき、また屋根の上で大変な作業をやり直ししなければならなくなりました。
雨や紫外線に強くて高価な『UVブラック土嚢袋』はなかなか支給されません。
また、熊本の中でも益城町は盆地で、夏はかなりの暑さ(というか痛いほどの熱い日差しです)になります。
屋根の上は目玉焼きが焼けるほどの熱を持ち、屋外作業は熱さとの戦いになります。
木山サテライトにも水やお茶の差し入れはたくさんあります。
でも炎天下での重労働を支えるキーンと冷えた氷や炭酸飲料がありません。
こういう『自分たちのためのもの』や『高価で高品質な品物』こそ、つらい作業を支えるモチベーションです。
休憩のときに飲むキーンと冷たいサイダーが、次の作業への意欲を支えるのです。
かごしまんま災害等支援基金ではこういうものを購入して届けています。
「益城町の屋根にある黒い土嚢袋は、かごしまんまさんから頂いたUVブラック土嚢袋なんですよ」と感謝されました。
冷凍庫も氷もサイダーも、真っ黒に日焼けしたボランティアの方々からとても喜ばれました。
嬉しいですね~ 心があったかくなりますね~
被災地のために頑張る木山サテライトを、これからも継続できる「無理のない」応援をしていきたいと思います。
(無理なく継続するために交通費・食費等の支援活動の日の諸経費は基金から使わせて頂いています)
どうか皆さん、これからも継続してかごしまんま災害支援等基金への「無理のない」ご支援をお願いします。
- 2020.07.28
- 17:29
平成28年7月20日【梅の木】
【梅の木】
先週末は、熊本地震で大きな被害を受けた益城町にあるボランティアベース『木山サテライト』へ物資を届けに行きました。
そこで手配やスケジュール管理等をしているみゆきさんに聴いた実話をご紹介します。
益城町住民さんがボランティア依頼する内容は、瓦が落ちて雨漏れの恐れがある屋根にブルーシートを被せる、倒壊家屋の中からお位牌や写真や大切なものを取出す、めちゃめちゃの家の中を片づけるなど様々です。
しかし時には「切れた電灯を交換して欲しい」というようなことを依頼してこられる方もいます。
そういう依頼の数々の優先順位を決めて手配したりやんわりとおことわりしたりしながら日々激務に追われるみゆきさん。
ある日、1人の男性が受付に訪れて「姉の家の梅の木を助けて欲しい」と依頼されました。
みゆきさんは心の中で「うーむ梅の木か・・・」と思いながら話を聴きました
その男性の姉夫婦の家は全壊でした。
年老いたご夫婦で、4月14日の夜の前震が起きて避難所に向かいましたが人が多くてやむなく自分の家に戻り、比較的安全そうな玄関に布団を敷いて寝ることにしました。
しかし16日の夜中に起きた本震で、寝ていたご夫婦の上に柱が落ちてきてご主人に直撃してしまいました。
奥さんが声をかけても動かず返事もありません。
奥さんにも柱が当たり負傷していましたが翌日にレスキューが来るまで一晩中ご主人に声をかけ続け、そのまま病院へ搬送、入院。
搬送先の病院でご主人の死を知らされ、40日間の入院生活を終えて退院されたのでした。
辛い現実を受け止め、弟さんに連れて行ってもらって倒壊した自分の家を見たお姉さんが口にしたのは
「かわいそう!お父さんと一緒に植えた梅の木が弱っている!」でした。
それは55年前、結婚記念として植えた梅でした。
大木に育った梅の木に、倒壊家屋の軒が重くのしかかり枝が折れていたのでした。
7月22日に合同のお葬式があるので、それまでにどうしてもなんとかしてあげたい。
そう思った弟さんが、梅の木をどうか助けて欲しいと木山サテライトを訪ねてきたのでした。
みゆきさんは話を聴きながら涙がこぼれます。
ちょうど1軒目の現場を終えたボランティア仲間たちも休憩に入るところで話を聴いていました。
机には未処理の依頼票が積み上げられています。
ホワイトボードにはこれからの作業予定も書かれています。
みゆきさんは困って仲間を見ました。
するとみんな無言で頷いたり親指を立てたりOKのサイン。
休憩を返上ですぐに現場に行き、「重機は入らないから人力だね!今からやろう」とチェーンソーや丸鋸、バールなどを持ってすぐに動いてくれました。
「まかせといて!」「何とか助けてあげたいね」「弟さんの想いもお姉さんの願いも叶えてあげたいね」と。
それから「無事救出~!」とドロドロになった仲間たちが作業を終えて帰ってきました。
軒を切り取って梅の木に負荷がかからないようにしたこと。
倒れていた電柱を取り除いて家の土壁を切りとったのでみんなでドロドロになったこと。
折れた枝の部分は切り口を揃えてきたこと。
嬉しそうにみゆきさんに報告する仲間の顔はみんな輝いていました。
「なんて素敵な仲間なのだろう・・・」みゆきさんは心からそう思ったそうです。
梅の木の救出作戦は、私が木山サテライトへ行った日も続いていました。
ボランティアの女性がチューブタイプの薬を持って
「梅の枝の切り口にこれを塗ってきます。梅の木は夏に切るのは良くないらしいから!」
とみゆきさんに報告し、そして作業に走っていきました。
『梅の木』はもし公的機関に依頼したら受付順になって、お葬式に間に合わなかったかもしれません。
もしかしたらやってくれないかもしれません。
民間だからこそ迅速に臨機応変に動けるのです。
こうした民間ボランティアベースに必要物資や差し入れを随時提供し支えることはとても意味があり重要な事だと思います。
今後も微力ながら続けていきたいなーと思っています。
- 2020.07.28
- 17:16
平成28年7月15日 【原発の一時停止と点検を訴える鹿児島県知事誕生】【先週末は鹿屋周辺は豪雨でした】
【原発の一時停止と点検を訴える鹿児島県知事誕生】
今回の参院選については色々と悲しく悔しく思うところはありますが、同日に行われた鹿児島県知事選では原発の一時停止と点検を訴えた三反園氏が現職の伊藤知事を破り初当選しました。
これは大きな一歩ですね。
ここで伊藤知事についておさらいしましょう。
伊藤知事は東日本大震災後、全国で一番最初に原発の再稼働に合意したり、熊本地震があっても「原発は大丈夫♡」と豪語したり、「女子高生にサイン・コサイン・タンジェントを教えて意味があるのか」と発言したり、利用者が少ない鹿児島-上海線の飛行機を廃止させないように県職員を1000人規模で引き連れて上海へ視察(という名の無駄使い)をしたり、商業施設ドルフィンポートを潰して豪華な体育館を立てようとして多くの県民から反感を買いました。
しかし鹿児島は風土的に保守基盤が固い土地ですから今回も伊藤陣営の圧勝かと思われていました。
さすがに女性蔑視発言や公費の無駄遣いばかりしていては離れていく人が多かったようです。
三反園氏の当選は涙が出るほど嬉しかったです。
川内原発に万が一のことがあれば、かごしまんまはおろか九州の農業・漁業の終了を意味することでしょう。
九州の食は日本の生命線です。
本当は一時停止ではなく即廃炉を切に望むところではありますが、まずは三反園氏が「新しい解釈」などというとんでもない事を平気で言って公約を破ったりしないように、一県民として目を光らせながら川内原発が停止する日を待ちたいと思います。
【先週末は鹿屋周辺は豪雨でした】
関東では水不足が深刻なのに、こちら鹿屋市では雨が降り過ぎで避難警報が出されたほどのひどい雨の週末でした。
市街地の道路はウユニ塩湖のようになり、あちこちの下水道から水が噴水のようにゴボゴボしていました。
この大雨と気温と湿度の高さで多くの野菜が傷みました。
雨に打たれ過ぎてゴーヤは収穫前に多くの先端が溶けてしまいました。
乾燥した土地を好むトマトやミニトマトは、梅雨時期に多くが水分を含み過ぎてパンパンになって皮が裂けてしまい売り物にならなくなります。
春に収穫して貯蔵していた玉ねぎや人参は品質も低下し量も少なくなりますので今週か来週で終わりです。
しかしこの暑さに導かれてオクラやナスやキュウリが出始めました。
これからの野菜セットは真夏の野菜へとシフトしていきます。
灼熱の鹿児島ではなかなか11品種揃わないので、屋内栽培のモヤシが入る時期もあります。
無・減農薬栽培では化学肥料や農薬を極力使用しないので旬の野菜以外はなかなか育ちません。
キャベツや玉ねぎ・ニンジンなどのレギュラー選手は姿を消し、葉物も少なくなっていきますが、どうぞご理解よろしくお願いします。
- 2020.07.28
- 16:58
平成28年7月5日 【ぐるめ畑さんの若手ホープ、古川さん秘話】
【ぐるめ畑さんの若手ホープ、古川さん秘話】
今回は、減農薬・無農薬栽培野菜生産者のぐるめ畑さんで働く3児のパパ古川さん(30歳代前半)をご紹介します。
古川さんは2011年3月までは奥さまと1歳の赤ちゃんと共に神奈川県に住んでいました。
しかし311のあの東日本大震災が起きて会社の同僚を家に送る際、いつもは通過に1時間もかからない高速道路が5時間もかかるほどの大渋滞になってしまいました。
そしてお店に行けば当たり前のように手に入った安心な水や野菜が店頭からすっかり消えてしまうのを目の当たりにしました。
「赤ちゃんと奥さんを抱える中で、関東でこれ以上なにかあったら逃げ遅れる」
という危機感が湧き、3月14日の夜には神奈川を出発して知人のいる和歌山へ向かいました。
はじめは和歌山で定住しようと奮闘しましたがなかなか難しく、また叔母さんが桜島へ嫁いでいたこともあって、
その年の6月にはるばる鹿児島へ来たのでした。
叔母さんが嫁ぎ先で苦労したこともあって、移住にご両親たちは大反対だったそうです。
でも古川さんは311をきっかけに、
「店に行ってお金を出せばあたりまえのように手に入る野菜や食材は実は当たり前のものではなく、
第1次産業に従事する人たちに支えられている。
衣食住の中でも一番大事な『食』という第1次産業に従事して、そして何かもしあっても自分で野菜とかが作れて食べていけるような、そんなことを学んで自分の職にしていきたい」と考えるようになりました。
神奈川での仕事を捨てて、いきなり家族ごと移住することに不安はなかったのでしょうか。
古川さんはこう答えてくれました。
「そりゃ、こっちへ来たら所得がめっちゃ低くなるので不安がありました。
しかしそこは価値観の転換ができるかどうかなんですよね。
関東では電車に乗って通勤なので衣服や持ち物に気を遣う。ラッシュにもまれる。
そして色んな素敵なお店があって物欲を刺激される。
ちょこちょこ毎日何かしら買ったり食べたりするんですよ。
でもここ鹿屋にいると、この畑仕事の格好そのまま家から着て車に乗って仕事をして、
帰りもこのまま車に乗って直行で帰宅する、みたいな(笑)。お金、ぜんぜん減りませんね。
んで、野菜や食べ物はめちゃくちゃ美味い。自然も温泉もいっぱい。
時間の融通がきく。都会では手に入らないものがたくさんある。
価値観の転換ができるかどうか、だと思います。
まあ僕もまだ昔の価値観にとらわれてしまうこともありますけどね。
仕事も、毎日泥と汗にまみれていますけれどめっちゃ生きている感じがしてイイっすよ。
でも大切なことは、どこに住むかとかではなく、家族で笑って過ごしていけるか、だと思います。
残る選択をするにしても移住するにしてもそこに住んで生きていく選択をした時、
笑って毎日が送れるか、だと思います。」
移住当時は1歳の赤ちゃんだけだった古川さんも、今では3児のパパです。
真っ黒に日焼けして笑う古川さんに、日本の農業の未来も捨てたもんじゃないな、と感じました。
梅雨が明けていきなり暑さのフルスロットルになった鹿屋市。
心配して各生産者さんのところへ行きましたら、古川さんから思いもかけずお話を伺えて色々勉強になりました。
野菜への暑さの影響を尋ねたところ、古川さんは
「いやあ実は野菜にとっては梅雨の時期の方が大変でした。
ジメジメして病気が一気に広がってしまうんです。農薬は使えないですしね~。
梅雨が明けてホッとしました。
暑さ対策は屋根などに何か被せたり水かけたりすればなんとかしのげますから。」
とのことでした。
おなじみの小松菜などの他に、試験的にブロッコリーやバジル、パクチーなども栽培していました。
楽しみですね~♪
常に挑戦を続けるぐるめ畑さん。ありがとうございます。
- 2019.10.21
- 13:19
平成28年6月28日 【ご飯がとまらないシソ漬レシピ秘話】
【ご飯がとまらないシソ漬レシピ秘話】
先週の野菜セットには青シソが久しぶりに入ったので
『ご飯がとまらないシソ漬』レシピをご紹介したところ、
大好評で多くの方が「つくったよー!」と報告してくださいました。
このレシピをご紹介する度に必ず思い出すのが、
千葉にいた頃お世話になった成田市の無農薬栽培野菜農家のSさんです。
ご近所のママ友さんに紹介され、Sさんの野菜セットを毎週買い始めたのがSさんとの出会いです。
配送代金を浮かすため、私が住んでいた印西市からSさんの成田市まで
自分で車を運転して毎週野菜セットを取りに行きました。
それまで『野菜セット』なるものを買ったことがなく、
季節に関係なく好きな野菜を買って好きなメニューで料理をしていた私にとって、
Sさんの野菜セットは最初のうちは本当に慣れないものでした。
ジャガ芋の季節になるとジャガ芋がずーっと続く。
虫の穴がたくさんあって、ときには虫も入っている。
葉物がしょんぼりと萎れている。
自分では買ったことないような野菜が入っている。
経験不足の私は、野菜セットを取りに行くたびSさんに文句を言っていました。
「ずーっとジャガ芋が続いて困る。毎週食べきれなくて残ってしまう。」
「虫の穴がたくさんあって気持ち悪い」
「なんでこんなにしょんぼり萎んでいるのか」
「ゴーヤは毎週は食べられない」
「キャベツや白菜はないのか」・・・・。
今思い出すと困ったお客さんです(笑)。
でもSさんはそのつど丁寧に説明してくださいました。
「一つの場所では収穫できる野菜が季節ごとに決まってきてしまうものなの。
夏には夏の野菜ができて、冬には冬の野菜しかできない。
野菜にはそれぞれ旬があって、旬の間はずーっとその野菜がとれ続け、
旬が終わったらピタリとその野菜が食べられなくなる。
そういうものなの。
全国から野菜が集まるスーパーでは自分の好きなように色々野菜を選べるけど、
産地限定にするとその産地の旬に合わせた野菜を食べ続けなければならないのよ。
自分で野菜作って食べている人はみんなそうよ。」
「無農薬栽培では虫を1匹1匹とっていくのよ。
農薬をかける方が簡単で綺麗な野菜ができるけど、どっちが身体に良いと思う?」
「無農薬栽培の野菜や野の花は、収穫してすぐに萎んでしまうものもあるのよ。
古いわけじゃないのよ。水に漬ければ元に戻るから大丈夫。」
「今の時期はこれしかつくれないのよ。キャベツができれば苦労しないよ。
夏に冬野菜を作ることは不可能だし、それぞれに栄養分も違うから食べる人間にとっても不自然なのよ。
夏野菜には身体を冷やしたり夏バテを軽減してくれる栄養があって、
冬野菜には身体をあたためたり風邪を予防してくれる栄養があるのよ。」
と私につきあって丁寧に答えてくれました。
そんな私達のすぐ頭上を、爆音で飛行機が通って会話が中断されます。
ジャンプすれば手が届きそうなくらいの高さで飛行機がなめるように通り過ぎていくのを
いつもSさんは苦々しく見送りました。
「この爆音で豚も出生率が悪くなったし、鶏も卵の数が減ったのよ。
動物も人間もすごいストレスなのよ。」
そう語るSさんは1970年代の成田空港建設反対を最後までされてきた方々のお一人でした。
Sさんは国から圧力を受けましたが畑を絶対に売らなかったため、
成田空港の滑走路はSさんの畑を避ける不自然な形になりました。
Sさんを知るまでは成田闘争は過激な人々の運動かと思っていましたが、
実際のSさんは報道等から受けたイメージとは全然違う、
ただただ自然と動物と野菜を愛する優しいお人柄の方でした。
「山林だったこの土地を、重機もなくほぼ人の手で開墾して、
薬を使わず安定して野菜をつくれるようになるまですごくすごく苦労したの。
そんな土地を滑走路のコンクリートで覆って殺してしまうことはできない。」
そんなSさんから教わったレシピが『シソ漬』でした。
例のごとく
「シソなんて刺身とかの飾りじゃないですか!こんなにたくさん食べられません!」
と文句を言う私に
「騙されたと思って作ってみてね」
と笑顔で渡してくれたレシピでした。
シソ嫌いだった私を変えた、魔法のレシピでした。
もう10年も前のことです。
Sさんはかごしまんまの原点です。
同じ空の下で今、Sさんはどうお過ごしなのでしょうか。
シソ漬を見るたびに思い出すのです。
- 2019.06.28
- 17:06
平成28年6月21日 【集中豪雨は野菜も試練】【イタリアントマトは今週で最後になります】
【集中豪雨は野菜も試練】
今週は井之上養豚さんの無農薬栽培レタスが入る予定でしたが、週末に警報が出るほどの集中豪雨がありましてレタスが全滅してしまいました。
あまりの量の雨に降られ続けると野菜もダメージを受けて、折れたり溶けたり流されたりして畑が壊滅します。
かごしまんまのために取っておいてくれたレタスが全滅してがっかりの井之上さんからは、急遽レタスの代わりにゴーヤが納入されました。
自然の前には人間は本当に無力です。
【野菜セットのイタリアントマトは今週で最後になります】
毎年大好評のイタリアントマト。
推定70歳の高吉さんがおひとりで大きなビニールハウス内で無農薬無化学肥料栽培しています。
殺菌剤の代わりに酢を噴霧器で丁寧にかけて病気を防いで育てています。
通常の倍の量を入れてお届けするのは、ラタトゥイユ等の煮込み料理を思いっきり楽しんで頂きたいから。
このトマトを1袋まるごと使ったラタトゥユは、水なし調理なのに水分たっぷりで、塩胡椒の味付けなのにコクのある美味しさになります。
いよいよ収穫最終期に入りました。
季節限定の美味しさを、どうぞ楽しんでお料理して思いっきり召し上がって下さい。
そしてこれからはゴーヤが毎週入る季節。
苦手な方、本当にすみません。
しかし、苦みは練習していくと必ず徐々に慣れて美味しさに変わっていきます。
また、ゴーヤに含まれる栄養は夏バテを軽減し免疫機能を高めるミネラルがたっぷり入っています。
ですから沖縄や鹿児島・宮崎などの南国の人々は自然に好んで食べます。
暑い時にこそぜひ摂取して欲しい野菜です。
どうかなんとか頑張ってせっせと食べてください!
これから南国鹿児島では夏は日差しが強すぎてキャベツやホウレン草などの葉物や基本野菜のニンジンや玉ねぎも消えていきます。
大根ももちろんありません。
6月下旬から9月初旬まではゴーヤ、オクラ、ナス、ヘチマ、芋類、ニンニク、ピーマン、キュウリ、ゴボウ、カボチャ、山東菜などがメインになります。
どうぞご理解の上、野菜セットをご注文くださいますようお願い申し上げます。
- 2019.06.28
- 16:43
平成28年6月14日 【農業従事者の高齢化】【蓋と容器の間にカビが生えてもあわてないで】
【農業従事者の高齢化】
全国的に農家の高齢化が問題化しています。
かごしまんまの野菜生産者さんも例外ではありません。
大丸実業(地場産・市場仕入れ)さん、ぐるめ畑さん、サンフィールズさん、
元幸産業(カゴンマルシェ)さんは会社なので色々な年齢層がいます。
しかし高吉さんは70歳代、井之上養豚さんは60歳代、新馬場さんは70歳、
平岡農園さんは50~60歳代です。吉田自然農園さんは60歳代です。
圧倒的に高齢の方が多いのです。
皆さん腰痛を抱えながら、大量で重い野菜をかごしまんままで運んできます。
近所の直売所や温泉への野菜持込みの年齢層を見ても高齢の方ばかり。
農業は自然相手の仕事で、休みが少なくて重労働が多く過酷なので若い力が必要。
しかし低収入なので若い人はどんどん農業から離れていきます。
日本全体の不況に加えてTPPの波。
多くの消費者は安い野菜に流れていきます。
このままだと手間暇とコストがかかる有機農業は近い将来、絶滅の危機を迎えることでしょう。
高吉さんはいつまでトマトを作れるのでしょうか・・・。
しかしながら、希望の光はまだあります。
吉田自然農園さんと平岡農園さんの息子さん達は有機農業を継いで頑張っています。
この有機野菜生産者さんたちを支えるのは言うまでもなく私達消費者です。
虫がいても穴がたくさん開いていても見た目が悪くても買い支えて応援していくことです。
そのためにはどれが食べられてどれが食べられないのか経験や学習で知っていくことが大切です。
核家族化が進み、スーパーの綺麗な野菜しか見たことがない人が多い現代社会では、
そういう啓蒙こそが小売りの仕事なのではないかと実感しています。
返品や返金する方が本当は簡単ですが、丁寧に説明してわかって使っていただくことこそ、
農薬や添加物を使わない生産者さんを守ることになるような気がします。
【梅ジュース・ケチャップ・ジャム等の、蓋と容器の間にカビが生えてもあわてないで】
かごしまんまの梅やきんかんやオレンジを使って手作りされる方も多くなってきました。
そして梅雨入りです。
これからカビの生える季節です。
そこでよくご質問やお叱りを受けるのが
「蓋と容器の間にカビが生えてしまっている。これは大丈夫なのか!」ということ。
これの見極めは、中身と蓋の内側の上部を見ます。
そこの表面にカビや浮遊物がなければOKです。
蓋と容器の間のレールについたカビを清潔なキッチンペーパーで丁寧に拭きとってから
消毒(熱湯・酢・アルコール等)してください。
開封後は必ず冷蔵保存です。
蓋と容器は、スチール(またはプラスチック)とガラスという異物であり、
よーく締めても完全に密着することは不可能です。
そこのわずかな隙間に残った内容物がカビることはよくあります。
特にかごしまんま商品ではケチャップに多いです。
ケチャップは瓶詰めしてからも熱湯消毒しているため、中身の品質に問題はないのですが、
この「蓋とガラス容器の間がカビている現象」はしばしばあります。
極微量の内容物が隙間に付着したまま消毒時でも取れなかった為に起こる現象です。
私たち自身の手作りの梅ジュースもきんかんシロップも同じ。
中身の表面や蓋の内側にカビや浮遊物がなければ大丈夫!
同じ要領で見極め・処理したら、食べられます。
先述しましたことと同じで、無添加で加工品を作ることは、
こういうリスクも受け入れることです。
ご自身で判断がつかない場合は、どうぞ遠慮なくかごしまんまへご連絡下さいませ。
(メールに添付写真があると、より判断しやすいです)
- 2019.06.27
- 13:48