かごしまんまだより

平成28年3月11日 【東日本大震災から5年】


【東日本大震災から5年】

東日本大震災から5年ですね。

当時私は千葉県の印西市に住んでいて、建築会社で勤務中に震度6の揺れに見舞われました。

尋常ではない揺れに女性はすぐ帰宅していいことになり、車に乗るとところどころ信号機が動いていなかったり、電柱が倒れていたり、民家の屋根の瓦が落ちていたりしました。保育園に子供を迎えに行くと、保育園の子供達が全員防災頭巾を被って、天井や壁が落下する事故を避けるために、屋外のバスの中にいました。

千葉は東京へ通勤されている方も多いので、電車が止まってしまい、交通機関も麻痺してしまって、その日は保育園で一晩明かした子供達も大勢いました。

徒歩で東京から何時間もかけて帰ってこられた方も多くいました。

その後、原発事故を受けて印西市から「水道水を乳幼児には与えない方がいい」というアナウンスがあり、乳幼児がいる家庭に2Lペットボトルの水が各2本づつ配布されました。

あっという間にホームセンターやスーパーから水がなくなり、ガソリンスタンドは1kmも並ぶような状況になりました。
原発事故後は洗濯物を外に干さなくなり、子供を外で遊ばせることや、芋掘り大会や運動会、遠足、給食や牛乳・・・・全てにどんどん悩むようになりました。

余震も多く、そして余震なのに震度4とか大きいものも多くて、そのたびに携帯電話の警報音が鳴る、ということが2か月ほど続きました。

携帯の警報音にビクビクし、いつもなんだか船に乗っているような、平衡感覚がいつもおかしいような感じでした。


そんな状況の中、鹿児島の両親から送られてきた水や野菜に涙が出ました。

スーパーをはしごして何時間かけても手に入らなかったものが段ボールに詰まっていました。

なんてありがたいのだろうと心がスーッと楽になるのを感じました。

それが『かごしまんま』を立ち上げる原動力となりました。

あれから5年。

色々なことが明るみに出るたびに、TVや新聞などが伝えることが必ずしも真実ではないし、日本は国民を第一優先にしているのではなく、世の中は利権や既得権益の維持を第一優先にまわっているのだということがまざまざとあぶりだされてきた5年間に思えました。

多くの人が故郷を失う原発事故を受けて、ドイツはあっさりと脱原発できたのに当事国である日本では川内原発が無理矢理再稼働しました。

国は、消費税を8%に上げて諸手当は減らしたので多くの国民の生活が苦しくなりました。

アベノミクスは大企業にだけ恩恵を施し、国民のお金である年金を『運用』という名の賭け事で数十兆円という莫大な損失を出しました。

改憲、TPP合意、オリンピックスタジアム案、辺野古問題・・・なにもかも無茶苦茶になってきているのに、気づいていない多くの国民は無関心で、おかしいと叫ぶ人を変人扱いし、TVやラジオでは「放射能」や「原発」そのものが暗黙のNGワードになってきていて、変な空気感に包まれているような、そんな日本になってきたような気がします。


せめて大切な人や家族の食材や食事だけは安心で幸せなものでありますように。

「これは思いっきり食べていいんだよ」と心から笑って言えるような食事やおやつの時間を過ごせるように。

かごしまんまの段ボールを開けて少しでもホッとして頂けたら。


東日本大震災から5年。

あいかわらずそれしか言えない無力な自分がいます。

でも明るいニュースがひとつだけありますね。

高浜原発が司法の手でとうとう停止になりました!

周辺住民29人による訴えが認められました。

まだまだ希望の火は消えていませんね。

このちいさな火が大きな大きな炎となって原発が日本から無くなる日が来ることを心から願っています。

決して独りではありません。

全国に仲間がいる事をかごしまんまは知っています。

踏ん張っていきましょう!

今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

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