かごしまんまだより
平成27年5月15日 かごしまんまだより【生産者さんそれぞれで違う農薬の避け方】
この度はご注文ありがとうございます。商品は無事に届きましたでしょうか。
今年の大隅半島は気温の乱高下が激しく記録的な大雨にも見舞われて、多くの畑の野菜がダメになりました。
特にキャベツや大根が姿を消してしまっていましたが、連休が開けて今回は久しぶりに野菜セットへキャベツを入れることができました。
しかしなんだか天気図を見ると大きな丸い台風がまた近づいてきているような・・・・。
一難去ってまた一難です。
【生産者さんそれぞれで違う農薬の避け方】
今回の野菜セットにはワイルドな無農薬野菜作りでおなじみの新馬場さんの山東菜とチンゲン菜が入っています。初めて新馬場さんの野菜を見る方にはその虫の穴の多さにびっくりさせてしまうと思います。
すみません。でも丁寧に洗って虫の穴が開いている葉も気にせず調理して食べてみてください。
露地で太陽をたくさん浴びて無農薬で育った野菜の美味しさったら!!
力強い大地の味にもびっくりされると思います。
これはかごしまんま専用に新馬場さん(推定70歳・女性)が無農薬で育てている野菜で、「虫食いだらけなので、かごしまんまで買ってもらえないと直売所に出しても売れ残ってしまうのよ」だそうです。
人間にとって美味しいと感じる野菜は、もちろん他の生物にとってもごちそうです。
ですから本来野菜は虫が食べて当たり前。
でも虫が食べた野菜は見た目がとても悪くなってお店では売れ残っていきます。
自然界にいる大量の虫を1匹づつ手で殺していくには無理がありますし人件費がかさみます。
そこで一般の農家さんは虫を殺すために畑に一斉に農薬をかけます。
すると虫食い穴や病原菌と戦った跡(シミ・キズ)のない綺麗な野菜が安くお店に並びます。
見た目がきれいで安い方がお店では売れていきます。
でも虫が食べられない野菜が本当に美味しい野菜でしょうか?
本当に安全な野菜でしょうか?
私は違うと思いますので、農薬をなるべく使わない生産者さんがつくる野菜を食べたいですし皆さんにもご提供したいと思います。
実は「農薬が嫌いな生産者さん」にも色々個性があります。
新馬場さんや井之上養豚さんのように『自然界と共存する畑(いわゆる草ボウボウ畑)』で野菜づくりをされる生産者さんもいれば、ぐるめ畑さんや旭信興産さん(ヘルシーリーフとフリフリリーフの生産者)のように『野菜には虫1匹近寄らせるもんか』で野菜作りをされる生産者さんもいます。
ぐるめ畑さんは防虫網戸付の最新型ビニールハウスで完全防御、旭信興産さんはエアーカーテン付の出入り口がある衛生的な植物工場にして虫から完全防御しています(ここだけのヒミツですが旭信興産の社長さんは虫が大っ嫌いw)。
また吉田自然農園さんは『虫があんまり来ない品種』での野菜作りをされているので、カラーふだん草とかアシタバとか珍しい野菜が出てくるのです。
同じ「農薬嫌い」でも生産者さんによって色々個性が出る野菜作りで、本当に面白いですね。
余談ですが、農薬を普通に使用する生産者Aさんと減農薬栽培する生産者Bさんとの畑がお隣り同士になってしまうとお互いに悲惨です。
なぜならAさんの噴霧する農薬は、風に吹かれて農薬嫌いなBさんの畑に降り注いでしまいますし、逆にBさんの畑で元気に生活する虫さんたちもAさんの畑にどんどん飛来してしまうからです。
そのため生産者さんは、お隣りさんがどのような農法でどのような農薬を使用しているかも重要な関心事です。
ちなみに井之上養豚さんとぐるめ畑さんはお隣り同士でとても仲がいいのですが、かたや虫と共存する畑と、かたや虫1匹入れない完全防御ハウスが隣り同士に存在しているのをこの目で見た時には言葉が出ませんでした(笑)。
この時の写真はかごしまんまHPの生産者紹介【井之上養豚】さんの記事に掲載してあります。
安全な食をお届けするため、生産者の皆さんもこのように頑張っています。
どうぞみなさんも今の状況や現実を悲観せず、でも思考を閉ざさず、前向きに、自分にできることを一歩づつ、同じ空の下、共に頑張っていきましょう。
決して一人ではありません。
たしかに私達は少数派ではありますが、全国に仲間がたくさんいます。
無理せず・あせらずに、でも一歩一歩です。
株式会社 かごしまんま
山下 理江(ツイッターID @riesea りえし)
- 2016.07.27
- 15:16
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