放射能測定

【放射能測定結果】鹿児島県産きくらげ(菌床栽培)

鹿児島県産きくらげ(菌床栽培・乾燥したもの)を放射能測定しました。

依頼先はいつもの東京都国分寺にあります『こどもみらい測定所』さんです。

きくらげは乾燥させたものなので、
かなり頑張って砕いて入れたのですが、
200gほどしか1リットル容器に入りませんでしたので、検出下限値が5Bq/kg弱ぐらいに留まりました。

比重が軽ければ軽いほど1リットル容器に入る量が少なくなり、検出下限値も下がります。
ご了承下さい。

結果は、

Cs-137が検出下限値4.70Bq/kg未満の不検出。

Cs-134が検出下限値4.33Bq/kg未満の不検出、

でした。

そこで、きくらげを水に戻した状態で測定したら結果はどうなるのだろう?と思い、こどもみらい測定所に相談しました。

以下はやりとりです。すごく参考・勉強になりますのでぜひご覧になってください。これはお茶などの水戻し測定などにも言えることではないでしょうか。

山下

「お願いがございます。きくらげが200 gしか入らなかったということで、残りの800gの検体を使って、水に戻したきくらげを測定していただけませんでしょうか。」

(今回の検体のきくらげは生産者が無償で1kgを提供して下さったので無駄にしたくはなかった為、このように申し出ました)

こどもみらい測定所

「お世話になります。キクラゲの水戻し測定について諸々検討したところ、水戻し測定は精度上お勧めできないことが判明致しました。いかが致しましょうか?

以下詳しい説明になります。

過日ご依頼の乾燥品のキクラゲ測定時にはは1リットルの測定容器に190g充填することができました。

この190gキクラゲを全量水戻しした場合、水戻しされたキクラゲは2.6kg程度になります。見かけの嵩で7~8倍、重量比で13~14倍にも増量します。これは乾燥キクラゲを水で13~14倍に薄めたとの同じ意味あいです。

生または水戻しのキノコ類をペースト状に粉砕した場合ほぼ比重1となりますので1リットルの測定容器にほぼ水戻しキクラゲを1kg充填することができます。

前述の比率から乾燥キクラゲ60~70gを水戻しすると水戻しキクラゲを1kg得ることができます。

つまり、キクラゲを水戻しして測定した場合、1リットルの測定容器に充填できるキクラゲは乾物換算で60~70g程度となります。つまり乾物をそのまま測定したときの1/3程度の量しかキクラゲが測定容器に入っていないことになります。

このため、水戻ししたキクラゲを乾物と同一時間測定した場合、見かけの検出限界は乾物にくらべ数分の1まで下がりますが、実際の乾物に換算した真の検出限界の値は乾物をそのまま測定したときの3倍程度に悪化します。

このことからキクラゲを水戻しして測定すると、乾物そのままで測定するより数倍精度が悪化すると言えます。

ちなみに乾物を測定したときの検出限界はセシウム137が4.70Bq/kg未満、セシウム134が4.33Bq/kg未満でした。

これを水戻し状態に換算すると少なくともその13分の1、つまりセシウム137が0.36Bq/kg未満、セシウム134が0.33Bq/kg未満と同じ意味合いになります。この値は水戻し状態を計測した場合のほぼ1/3に相当します。」

さすが、こどもみらい測定所さん、という感じのご回答でした。

「検体の水戻し測定はうすまってムダ!」という結論ですので、水戻し測定はやめました。



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